2020年(令和2年)10月1日以降の申請から、社会保険(健康保険・厚生年金保険・雇用保険)に適切に加入していない事業者からの申請については、不許可となります。
現在、許可を受けている事業者であっても、更新や業種追加などをする際に、社会保険に適切に加入していないと不許可になります。
適切に加入しているとは、概ね次の通りとなります。
a.申請者が法人(会社)の場合は、健康保険と厚生年金保険ともに加入しており、従業員を雇用している場合は、雇用保険にも加入していること。
但し、国民健康保険組合に加入している事業者については、従来通り「健康保険については適用除外」が認められています。
b.申請者が個人事業者で、5名以上の従業員を雇用している場合は、健康保険、厚生年金保険、雇用保険の3つとも加入していること。
但し、国民健康保険組合に加入している個人事業者については、従来通り「健康保険については適用除外」が認められています。
c.申請者が個人事業者で、4名以下の従業員を雇用している場合は、雇用保険に加入していること。一人も雇用していない個人事業者は、従来通り「全て適用除外」が認められています。
建設業を営む場合で、「軽微な建設工事」のみを請け負う場合は建設業の許可を受ける必要はありません。
建築一式工事:(1)か(2)のいずれかに該当する工事
(1)1件の請負額が消費税込みで1,500万円未満の工事
(2)延べ床面積150平方メートル未満の木造住宅工事
建築一式工事以外の工事:1件の請負額が消費税込みで500万円未満の工事
(1)知事許可
一つの都道府県内にのみ営業所を置いて建設業を営む場合に必要な許可です。
(2)大臣許可
複数の都道府県に営業所を置いて建設業を営む場合に必要な許可です。
(1)特定建設業許可
建設工事の発注者から直接、元請業者として受注した1件の建設工事について、下請負代金合計額が消費税込みで4,500万円 (建築一式工事は消費税込みで7,000万円)以上となる契約をして、下請負業者に施工させる場合に必要な許可です。
なお、この金額については、2023年1月1日施行の改正建設業法施行令によるものです。改正施行前の2022年12月31日までは、消費税込みで4,000万円(建築一式工事は消費税込みで6,000万円)以上でした。
(2)一般建設業許可
特定建設業許可が必要ではない工事のみを施工する場合に必要な許可です。
次のイまたはロに該当する者がいること。
イ.常勤役員等(法人なら常勤役員(会計参与・監査役・監事を除く)、個人事業者なら事業主本人又は支配人のこと。以下同じ。)のうち、1名が次の1から3までのいずれかを満たしていること。
1:建設業に関し、5年以上の経営業務管理責任者としての経験を有している者
2:建設業に関し、権限の委任を受けて経営業務管理責任者に準ずる地位にある者として、5年以上の経験を有している者
3:建設業に関し、経営業務管理責任者に準ずる地位にある者として、6年以上の経営業務管理責任者を補助する業務経験を有している者
ロ.常勤役員等のうち1名が次のⅰとⅱのいずれかに該当する者であり、なおかつ、この常勤役員等を直接補佐する者として、次のa・b・cに該当する者を置いていること(つまり、「常勤役員+補佐者a・b・c」をセットとして置いていること」が要件となります)。
ⅰ.建設業に関し2年以上役員などの経験があり、この期間を含めて、5年以上の役員などの経験又は建設業の財務管理、労務管理、業務運営のいずれかの業務について役員等に次ぐ職制上の地位の経験を有する者
ⅱ.5年以上の役員などの経験があり、このうち2年以上建設業に関する役員などの経験がある者
【常勤役員等を直接補佐する者の要件】
a:許可申請を行う会社において、建設業の財務管理に関する業務経験を5年以上有する者
b:許可申請を行う会社において、建設業の労務管理に関する業務経験を5年以上有する者
c:許可申請を行う会社において、建設業の業務運営に関する業務経験を5年以上有する者
注:aからCは、同一人でも3名別々でも結構です。
次のいずれかの条件を満たした方が該当します。
イ: 許可を受けようとする業種に対応する高校の所定学科を卒業後5年以上その業種の実務経験がある者、又は大学の所定学科を卒業後3年以上その業種の実務経験がある者
ロ: 学歴を問わず10年以上許可を受けようとする業種の実務経験がある者
ハ: 許可を受けようとする業種に対応した国家資格などを有する者
→ 指定学科の詳細はこちらでご確認下さい。 PDF 技術者の指定学科一覧表(290KB)
→ 国家資格の詳細はこちらでご確認下さい。 PDF 一般建設業の許可業種と該当する国家資格等の一覧表(186KB)
法人である場合は、その法人、その法人の役員、相談役、顧問、発行済株式の5%以上の株式を有する個人株主、出資総額の5%以上に相当する出資をしている個人出資者、営業所長などの政令第3条使用人が、個人事業者の場合は、事業主本人又は支配人が、請負契約に関して、不正又は不誠実な行為をする恐れが明かな者ではないことを指します。
次のいずれかに該当しなければなりません。
i.自己資本が500万円以上あること
ii.500万円以上の預金残高がある又は金融機関から500万円以上の融資を受けられること
iii.直前5年間建設業許可を受けて継続して営業していた実績があること
冒頭に記載している通り、「適用除外」を受けている事業者を除き、健康保険、厚生年金保険、雇用保険に適切に加入していなければ、許可されません(許可申請自体が受理されません)。
詳細はこちらでご確認下さい。
PDF 欠格要件について(74.7KB)
- 補足説明 -
(1) 「経営業務の管理責任者」について
a.経営業務管理責任者としての経験とは、営業取引上対外的に責任を有する地位にいたことを意味し、具体的には、株式会社・有限会社の取締役、委員会設置会社の執行役、合同会社の業務執行社員、合資会社・合名会社の無限責任社員、法人格がある組合等の理事、個人事業主などを指します。
b.イ-1に記載した条件には、建設業法施行令第3条使用人(従たる営業所の責任者のことです)として登録されていた方を含みます。この経験に基づいて申請をしようとする場合は、該当年数分の建設業許可申請書類控え一式 (原本)と、該当年数分の建設業変更届出書類一式(原本)の両方を申請先の都道府県庁担当部署等に提示の上、これらのコピーを提出する必要があります。
c. イ-2、イ-3、ロのいずれかに記載した要件に基づいて申請しようとする場合は、事前に都道府県庁担当部署等に必要書類を提示して、確認(認定)を受ける必要があります。
(2) 「専任技術者」について
ロの10年以上の実務経験には、緩和措置を受けられるケースがあります。
a.土木一式工事の実務経験と、4つの専門工事(とび・土工工事、しゅんせつ工事、水道施設工事、解体工事に限る)のいずれか一つの実務経験年数合計が12年以上あり、且つ、4つの専門工事のいずれか一つの実務経験年数が8年を超える場合は、該当する専門工事の経験年数が10年に満たなくても、専門工事の専任技術者としての実務経験が認められます。
b.建築一式工事の実務経験と7つの専門工事(大工工事、屋根工事、内装仕上工事、ガラス工事、防水工事、熱絶縁工事、解体工事に限る)のいずれか一つの実務経験年数合計が12年以上あり、且つ、7つの専門工事のいずれか一つの実務経験年数が8年を超える場合は、該当する専門工事の経験年数が10年に満たなくても、専門工事の専任技術者としての実務経験が認められます。
c.とび・土工工事と解体工事の実務経験年数合計が12年以上あり、且つ解体工事の実務経験年数が8年を超える場合は、解体工事について経験年数が10年に満たなくても専任技術者としての実務経験が認められます。
d.大工工事と内装仕上工事の実務経験年数合計が12年以上あり、且つどちらかの実務経験年数が8年を超える場合は、その工事について経験年数が10年に満たなくても専任技術者としての実務経験が認められます。
(4) 「財産的基礎又は金銭的信用を有していること」について
i.自己資本とは
法人の場合: 直近の決算書にある貸借対照表の「純資産の部」の合計額を指します。設立されてから決算期を未だ1回も迎えていない場合は、資本金の額を指します。
個人の場合:青色決算報告書にある貸借対照表の(「元入金」+「事業主借」+「青色控除前の所得金額」)-「事業主貸」+「負債の部にある利益留保性の「引当金及び準備金」により算出されたものを指します。
【注意】
個人で自己資本額が規定以上あることを証明する場合は、青色決算報告書も地方整備局又は都道府県へ提出することが求められる場合があります。
青色申告を選択していない方、青色申告を選択しているが貸借対照表の記載がない又は不十分な場合、この方法で証明は受けられません。
ii.500万円以上の預金残高について
申請者名義の口座がある金融機関から残高証明書の発行を受けて下さい。この残高証明書に記載されている残高日は、申請書を提出する日から数えて1ヶ月以内のものでなければなりません。また、複数の金融機関から証明書の交付を受ける場合は、残高日は同一日として下さい。
iii.「直前5年間建設業許可を受けて継続して営業していた実績があること」について
これは、更新、業種追加、許可換え新規、般・特新規の各申請時だけの取り扱いです。
対象者及び条件は、一般建設業の場合と同じです。
次のいずれかの条件を満たした方が該当します。
イ: 許可を受けようとする業種に対応した一級の国家資格を有する者
ロ: 一般建設業の専任技術者要件イ・ロ・ハに該当し、且つ元請として4,500万円以上(昭和59年10月1日以前については1,500万円以上、平成6年12月28日以前については3,000万円以上)の工事について、指導監督的な実務経験がある者
ハ: 国土交通大臣特別認定者
一般建設業の内容と同じです。
申請直前の決算について、次の全てに該当していなければなりません。
i.欠損の額が資本金の20%を超えていない
ii.流動比率が75%以上あること
iii.資本金が2,000万円以上あること
iv.自己資本が4,000万円以上あること
冒頭に記載している通り、「適用除外」を受けている事業者を除き、健康保険、厚生年金保険、雇用保険に適切に加入していなければ、許可されません(許可申請自体が受理されません)。
一般建設業の内容と同じです。
- 補足説明 -
(2) 「専任技術者」について
指定建設業として定められた次の7業種の専任技術者は、一級の国家資格者、技術士法による技術士、国土交通大臣特別認定者のいずれかである必要があります。
a.土木一式工事
b.建築一式工事
c.電気工事
d.管工事
e.鋼構造物工事
f.舗装工事
g.造園工事
(4) 「財産的基礎又は金銭的信用を有していること」について
ii.流動比率の計算方法は次の通りです。
流動資産÷流動負債×100
iv.自己資本の内容は一般建設業と同じです。